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こころの健康を大切にする社会の実現を!

2012年7月9日 こころの健康を大切にする社会の実現を! はコメントを受け付けていません

こころの健康

 東日本大震災から3ヶ月あまりが過ぎ、被災地と日本の復興は少しずつ進んできています。しかし家族、友人、仲間を失った悲しみ、人生が変わってしまった悔しさ、営々と築きあげてきた住居と職場が無に帰した無念、これからの生活や仕事についての不安や絶望、原発事故のために置き去りにせざるをえなかった日々の暮らしと地域社会、そうした心の痛みは忘れることのできないものです。

 これからの復興支援は、被災者が日々の生活と仕事を少しでも取り戻すことへの実際的な支援とともに、これらこころの痛みを支えるものであることが必要です。
 不眠や不安などの心理的な反応、新しい環境での生活や仕事や学校をめぐるストレス、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などの精神疾患、仮設住宅での孤独死や自殺などの社会問題、辛さを紛らわそうとしてのアルコールへの依存、震災前からの精神疾患のために声を挙げにくい方が復興の置き去りになってしまうことなど、こころの健康にまつわる数多くのニーズが明かになりつつあります。

緊急提言と基本法

 「こころの健康政策構想実現会議」は、大震災のあった3月に緊急提言を発表しました。そこで提言したのは、「からだの健康、こころの健康、日々の暮らしに代表される地域生活全体について、支援者が地域住民のもとに出向き、必要とされている支援をその場で提供する(アウトリーチ)」という大震災の復興を進めるための支援のあり方でした。避難所に出向いた医療チームを思い浮かべていただくと、イメージしやすいかと思います。

 この緊急提言は、昨年5月に厚生労働大臣の求めに応じて行った提言「こころの健康推進を日本の基本政策に 三大疾患にふさわしい精神保健医療改革で「こころの健康の危機を克服できる安心社会の実現を」にもとづいたものです。提言では、低廉な精神保健医療の改革を実現するために、「こころの健康の保持と増進のための基本法」の制定が必要であることを訴えました。こころの健康は社会全体の問題であり、社会の制度としての取組みが不可欠だと考えたからです。こころの健康を守り推進する基本法の制定を求めます!100万人署名推進にご協力ください。

社会に必要とされるもの

 大震災により失われた1万5千人を超える貴重な命、その数十倍の方々が強いられた不自由な避難生活、そうした大きな犠牲から誰の目にも明かとなったのは、普段の日々には見過ごしていた「私たちの平和な生活が何によって支えられているか」ということでした。

 それは、生命の安全であり、栄養がいきわたる食事であり、寒さをしのげる衣服であり、安心して暮らせる住居であり、水と空気と食物など環境の安全であり、水道・電気・ガス・交通・通信というライフラインであり、共に暮らし学び働く家族と仲間であり、そしてそれらすべてに支えられたすべてを支えている「からだの健康」と「こころの健康」とそれを守る保健・医療・福祉であったのでした。

 これから、被災地と日本全体の復興をさらに本格的に進めていくためには、こうした平和な生活の基盤作りを社会全体として保障していくことが必要です。なかでも、「こころの健康」は、被災者の日々の生活の回復と地域社会全体の復興のもっとも基礎となるものであり、社会の仕組みとしての支えがあってこそ達成できるものです。

 「こころの健康政策構想実現会議」は、こころの健康を推進するための基本法制定を訴えています。基本法は被災者の生活の回復と被災地の復興を支えるとともに、日本において平和な生活を実現する基礎となるものです。こうした趣旨をご理解いただき、署名へのご協力をいただけますようよろしくお願い申しあげます。

「こころの健康政策構想実現会議」東北関東大震災からの復興に向けた緊急提言
  URL:http://www.cocoroseisaku.org/pdf/suishinnewsgougai2.pdf

問い合わせ
こころの健康政策構想実現会議100万人署名推進委員会
 事務局:さいたま市見沼区染谷1177-4やどかり情報館内
  TEL:048-680-1891 Fax:048-680-1894

こころの健康政策構想会議
  URL:http://www.cocoroseisaku.org/

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