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街で私達のような人を見かけた時は声をかけてください

2014年12月2日 街で私達のような人を見かけた時は声をかけてください はコメントを受け付けていません

11月27日(木)のまつぼっくりの報告です。

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■「ふれあいアート」 県ボランティア協会主催
平成26年11月27日(木)実施
(平成26年度 第四回 通算8回目)

幼児期に多様な存在理解を促す意味を下敷きに、アートを媒介に、幼児と障がい
ある人が交わり、アートの持つ力を探る企画。

→本日、11/27(木)
小松にある、まつぼっくり保育園で実施。
今年度、30年の活動の末NPOになった。保護者が運営に携わる共同保育の形態
をとる。遊びは、近くの山や土手。ムカゴやノビルなどの山菜採りを行い、年少
期より料理をする。絵画も同時期より毎日描いている。のびのびとした保育理念
の下、子ども達のたくましさが光る。昨年につづいて2回目。

本日は、9時に同園に到着。主催者側の顔ぶれは、公立大の教授で県ボランティ
ア協会の会長である辻さん、公立大の辻ゼミ学生2名、電動車椅子の光代さん・
靖治さん、心ほぐれる陶芸実践の瀬尾さん、書を柱に据える生駒の7名。
園児さんは、年長年中年少の9名と園長先生。
園につくなり、先生の掛け声の下ダンスをする9人の姿が愛くるしく目に入った。
「ここで回って。はーいくぐって」準備の手を停めて見入ってしまうほど。
主催者側が開始時間まで打ち合わせにあたる最中、9名の園児さんは、ちょこん
と小さい椅子に座り、落ち着いて待っていてくれた。’なにをするのかなーーー’
という興味津津な眼を向けながら。
40畳のブルーシートを広げ、台替わりに外して貰った戸棚の扉を2枚、真ん中
に設置。瀬尾さんが、粘土を周りに置き準備完了。
今日の体験プログラムは、造形。この企画では初めての試み。

9時50分 予定よりも少し早いが開始とする。
冒頭のスタートを生駒がさせていただく。
「みんなで楽しく遊びましょう」の辻会長の挨拶に園児は元気よく返事。
主催者の自己紹介では、呼び方を一人ひとり先生と園児が確認をして進む。園児
の自己紹介では、6才から4才の9が、はっきりとした口調と聞き取りやすい声
の大きさで名前を教えて下さった。
園長先生「今日は土の神様をつくることを聞いてました。楽しみです。」

さーいよいよ、体験スタート。
今回の造形の進行は瀬尾さん。昨日は緊張して眠れなくなるほどであった、との
こと。
粘土2種類を用いたプログラムを準備された。
プログラムの最初は、導入。
2枚の板の周りを園児、光代さん、靖治さん、主催者で囲み、力を伝え合うこと
を行う。
手をつないだり、手のひらにふーっと吹きかけたパワーをお隣の人のほっぺたに
手を当て伝え合ったり。ワクワク感が一つになるようであった。
つづいて、粘土ポトン遊び(土偶(土の偶然)をつくる)。陶芸粘土を使用。
瀬尾さんから促され、年長、年中さんがみんなに粘土を配ると、手元に届いた粘
土を園児たちは早くいじりたいそぶりに。
「みなさん、お布団(濡れた雑巾)を粘土にかぶせてください。動き出す前の静
寂を共感。
「では、寝ている粘土さんに、やまちゃんとのうみさんに元気を注入してもらい
ます」
「やまちゃんからお願いします。どんな掛け声でもいいですから」
その声掛けに応じ、光代さんんが「はーーーっ」と全身を動かして元気を発信。
園児に笑いが。更に靖治さんは、全身を震わせ、上体を浮かせて「ぶぁーーー」
と地響きをかんじさせる元気発信を。園児にまた驚きの笑いが。
そして、2人につづいて園児と学生さんみんなで元気注入「はーーー」と。
大きな元気玉が粘土に注入され、黄土色の固まりの出番となった。

粘土を実際に手にして、ちぎって2つ3つの固まりに。
1つは丸め、1つはぎゅって握って。
光代さんと靖治さんのぎゅっと握る動きに園児達も導かれ、ぎゅっぎゅ。
いろんな形の粘土が現れた。
「4歳、5歳、6歳の今の形です。それぞれの形ですよー」
「どんな形に見えるかな-」
瀬尾さんの声掛けになるほどのような視線を向ける。
丸めた粘土は、座ったままで高いところから落とし、出来た形に筆の反対側で目
や口を入れていく。笑っている顔、叫んでる顔、色んな表情が並んだ。

粘土の神様が出来た後は、光代さんにお話し聞かせてのコーナー。
お話しを聞くだったが、光代さんに園児9名が自分の好きな食べ物や、好きな遊
びや、家族のことなどを聞いてもらう形になった。
園長先生「この年令で人に何かを尋ねるのは高度なんですよね。聞いてほしい自
我の目覚めが起きているお年ごろですから」微笑ましい光景はしばらく続いた。

光代さんと園児のお話しコーナーの後は休憩を挟み靖治さんの文字書きコーナーへ。
全紙(70㌢☓130㌢)の紙を広げ、靖治さんが大筆を動かす。
子ども達の視線は筆先を一心で追う。字形がどうだったか考える腕の動きありな
がらも、2文字を書き上げた。
園児に何に見えますか、と問うと「キリン」「足に見える」「ゾウさんがキャベ
ツを食べているみたい」寝そべってみたり、さかさまでみたりして、いろんなイ
ンスピレーションを園児たちは口にした。
描かれた文字は 「遊ぶ」
野海さんの意図は「みなさん毎日遊んでいます。僕はそれが羨ましく思い書きま
した」と。描かれた作品は、ホールの中央に掲示された。

靖治さんの揮毫の後は最後の造形プログラム。
焼かない粘土を手にして、ローラーでコロコロ。
「さっきみんなが作った神様を入れるお皿を作ります。」
ローラーで伸ばした後は、指や爪などで’つんつん’ ’とんとん’。
瀬尾さんの声掛けと光代さんと学生さんの突付き具合に園児たちは動きを引き出
される。前半で緊張の余り、涙が止まらなかった園児さんもリズミカルな模様の
お皿を作り上げた。
「お皿の裏に足を付けます。今からお団子を3つ配ります。丸めたら、お隣の人
と交換をしてください。」
’ころころ ころころ’出来たお団子を交換し合い、皿の裏に水で接着する。
この行程で、お顔にしたい衝動をどうしても押さえられない園児さんは、皿の足
というよりもリバーシブルデザインを施すことを欲し続けた。
お皿も出来上がり体験終了。

最後の感想では、園児全員が大きくはっきりした声で「粘土が楽しかった」「お
皿がつくれて嬉しかった」など、人と違う本人なりのコメントが響いた。
園長先生の感想「作品表現をありのままに受け入れられる進行は、日頃の保育の
在り方を見つめなおす機会になりました。個人的にも主催の皆様とはお付き合い
をしたいです。」
最後の締めの挨拶は光代さん、「みなさん、一杯お話しできて嬉しかったです。
街で私達のような人を見かけた時は声をかけてください。元気であそんでくださ
い。」

帰り際、「ばいばーい」「又来てねー」
テンポのいい、お腹一杯になる時間があっというまにすぎた。

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