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祝!ボランティア米寿となる

2015年5月9日 祝!ボランティア米寿となる はコメントを受け付けていません

 今や、V活動それぞれの拠点は拡散しオルブライトホール上階3Fに事務所を得て婦人の消費者運動の一翼を担った消団連も解散。自らの晩年を残された個人活動に費やされていらっしゃるボランティアリーダー出水さんの回顧を傾聴できる幸運を得た。
 思えば、みやざきに根付いた活動は各分野に二分化が成り立っていた層と幅の広いものである。米寿になられる出水(でみず)さんは語られることで清武に生を受け米寿になるまでの自己のメロディを目の前に広げて下さる稀有な表現力の持ち主であることに驚嘆しながら居合わせた数人で戦中から戦後70年の女性史に聴き惚れた。
 男性陣が一歩先に鬼籍に入られたり、進退窮まる晩年になりやすい状況は元気な活動家界では際立つようである。お話からして、あの南京玉簾芸の名人は最近先立たれたご主人様だった。学生ボランティアが嬉々として余興などまでに弟子入りして軽い気持ちで知ったつもりであったが、もっと敬意を持つべきだった旦那様の余生として盛り上がった一面と細かな気遣いを同窓会へ注がれた緻密性が、発揮する場を喪失して行くに連れ認知症へと向かわれたボランティア街道を冷静に語って下さった。そこには、つい一週前に婦人活動の双璧をなした生活学校の矢崎理事から伝え聞いた調査性という活動原理が同じくあったことにも驚かされる。我々の情報をどう使うか以前に、問題解決には先ず、調査ありというのがボランティアのいろはのいであったことを思い知らされる。多分ボランティア2世世代の我々は勝手に先ず動いてみること思い込んだようだ。否、民主主義とともに始まったボランティアは調査し、その問題責務者と対話しという構図があった。我々は何時しか、分析力を欠き和を尊しと成す賢人になりたがったようだ。特に80年代からの経験である新リーダーの私などは当てはまる。
 さて、米寿の出水夫人の日常は、今回の県ボラ協の監事会計監査を昌彦さんと精査していただき感謝だったが、それこそ調査した上でリハビリのデイサービスを受ける自分で選び、ご主人の介護の過程では、ケア・医療サービス事業者へも問いかけを積極的にされ提言で場を改善していかれた。対等性をうたった活動者の面目躍如である。
 そして、同窓会なども解散せざるをえぬ今は、もう一度少女時代からの八十八年の歩みを繰り返し辿られて私史の語り部を上手にして下さった。それも、地元月見ヶ丘でのサロン活動に音楽教師のスキルを注ぐなど団体の長の裃を脱いで楽しまれているからこそである。
 監事をお願いしている関係で、とくに厳しいお顔の印象を感じていた後輩ボランティアの私たちには、もう一夫人としてやさしく接してくださる自由さには、少女の輝きさえ感じさせて下さった。コツコツと社会を変えてこられたそのままにコツコツと自分を快適に維持する体現こそ極意のようだ。小椋佳のメロディが聴こえてくるような米寿のボランティア。それも美空ひばりとのコラボより、さらば青春が似合うと一人語りの聴き手はごちた。
 

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