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白杖の母

2019年10月24日 白杖の母 はコメントを受け付けていません

20日の午後、歩きへこたれ強壮にと座すハチミツ店のベンチを行き過ぎる点字ブロック上のひとりの女性。当方の待ち合わせの時間も近いのでつられて東へ。

冷静さを纏う全身。妙にしかも単純に魅かれる。写されているだろう街頭監視カメラには先ほどから新宿神楽坂に出現した身なりはほどほどのややくせ猫背がストーカーの本領を発揮せぬと記録しはじめている多分。すぐに地下鉄入口へとブロックをなぞる段に、にわか映画「フォローミー」のトポルを気取り、さりげなく同乗する。

全盲の方かは知らぬが、スタイルは個性を利発な多血質と演出していて頭はポニーテールにまとめて全身で何かを守っている。それは、前に抱える幼児である。外国人の子育て風に対等なやりとりもあって、向かい合わせになってはいるが、確かに幼児がナビしている節も。風体が見られないのを良いことにトポルからチャップリンにも同化しはじめた追随者。どうかしているぜ。

踊り場をへて、三人はホームに順調に降り立った。そこで便を待つ間、互いにハードだったようで、安全扉のさらに安全なあたりに帯をといて幼児を下した母。孫は一才半ほどのが二人の男・私だから、その幼児がだっこの齢を過ぎているのは分かった。飛び出す力を押しとどめ目的地へ同行させるルーティンであることも飲み込めた。

偶然にも降りる駅も共通していたので、また三人の道行きが大江戸線若松河田駅で繰り返される。ただ、人込みも休日の午後ということで増え、場所柄電動の若者もくるりと身体を回し次のエレベーターへとゆずったりと、都心に暮らすスマートさも見えた。そして別れのシーンは引き継ぎのアテンダントが改札口で迎えまた、前抱きをとかれた幼児が飛び上がって婦人に飛びついてジ・エンド。

今年のふれあいの旅へのエントリーは確認できないでいるが、昨年小学生健太くんがボランティアたちに全身でぶつかっていたことを思い出しひとりごち、3時キャンパス10号館集合に坂を下る間、熱いもののメッツセージを反芻するのであった。

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