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ハンディエンジェルズ~くりの実*そして「戯曲作品集」への進化

2015年5月20日 ハンディエンジェルズ~くりの実*そして「戯曲作品集」への進化 はコメントを受け付けていません

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水曜日事務局は、野海さんがいろんな風を運んで来る。バックパックから出てきたのは宮崎県立芸術劇場の企画冊子「2014年度脚本講座の成果本」、下書き完成の段階で拾い読みさせてもらったやつが、6名の受講者と三股編の作品に混ざり4番手として掲載されている。「君は歌うことができる」というメッセージは、あなたへわたしへ送られる応援歌のような出来栄え。戯曲自体が完成しているわけではない分、読み手でどうにでも状況は考えて読み進められる。
とある喫茶店、なぜか古い建物にしてはスロープや手すりが便利に出来ている。マスターや店員もやさしい。そこを舞台に主人公が失神するという筋立て。初作のハンディエンジェルズは障がい者探偵が主人公で難事件をコナンのように解決するシリーズだったから、自立生活の長さがよりリアルな心理に迫るがどこかほのぼのとした障がい者ライフ流を醸し出している。この戯曲化された光景をあなたのわたしの街角に当てはめてみると行ってみたい街の生活が見えてくる。生きる時間の意味さえも解明へとほどきはじめる。
すでに、まあるい劇場用に短編「ipadよりすごいもの」を書き下ろし上演され、他の高校生演劇部に劣らぬキャピキャピさでさわやかな印象を残している。ボランティア協会内でもふれあいの旅を率いて人との係わり方探求そのものが作者の人生にもなっている。ある時は助け合わないで良い場合もある、それは脱皮する時、悲し過ぎる時、そんな時も何かしら対照は必ずある。向き合うべきものひと、その輪郭をはっきりと描きながら人は生きねばならない。描き方がうまく行かないときはいっしょに目をこらして先を見据えよう。
作品を書き上げるごとに、野海さんの生き方の方向性は定まりつつあるようだ。

*くりの実は、県ボラ木曜教室から派生した文芸サークルが松浦哲也さん主宰で出版した刊行本。

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