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納宏子さんの願い

2015年11月18日 納宏子さんの願い はコメントを受け付けていません

長期入院を機に、落ちてしまった体力回復に懸命なお二人。野海さんと納宏子さん。自立生活者のボランティア共同活動も正念場を迎えている。脱「入所施設」=自立生活を支援し続けようと、長屋暮らし的環境構築を目指してボランティアの燈火を掲げてきた協会。中でもお二人の動きは説得力を持って未だ未完のネットワーキングにエネルギーを及ぼしている。
吹き矢で元気に通所を始めたという野海さんは相変わらず電動車いすで協会事務所にやってきて、ふれあい誌やふれあいの旅に協力している。片や納宏子さんは電動操作は返上して高齢者デーサービスへ送迎される日常となった。協会の木曜教室へ通う初期社会参加の頃へ戻られた感じか?
ということは、30年近いボランティア参加の末、戦中派としての後期高齢者の群れに無事着地されたと言えよう。
そして、ゆっくり傾聴すると、同じサービスを受けているお年寄りたちの無気力感を重たく間近に感じて辛く、しかし持ち前の正義感が何とかしたいと奮起の日々でもあるという。
定員の維持で余暇的な配慮まで行き届かない施設経営には、ボランティア活用を進言している。
この言動は、まさに超高齢化問題の壺を押さえたビジョンである。
せっかく一日を過ごす場をもっと明るくしたい。せっかくのお友達になりうる利用者がもう感性に潤いを無くしている。そこで、あれこれ考えをめぐらしはじめた。住所は大王町とのことなので、余暇活動支援を周辺のボランティアにお願いしてみようと作戦を練り始めている。手始めに遠方からでも芸達者な知り合いに来てもらおう!?
みんなで歌いだせば、きっと楽しい通所施設になっていくのでは!?

援護射撃ができる余力はそうは無いことはふれあいの旅のボランティア集めでも思い知る現状ではあるが、納さんからのオファーには対処していきたい。宮崎市ボランティアセンターが事業として取り組んでいる介護施設ボランティアも障がい者施設へも枠を広げ「微増」との心強い担当者竹下さんの声を聴いた。何事も継続こそ力なのだ。

納さんは就学免除の児童期以降孤独と焦燥のあまり人生後半に意を決し社会への接点を持った経緯を振り返り、高齢のまま寂しさ空虚さの渦に飲み込まれそうな隣人を見過ごす訳にはいかぬという持ち前のムラムラ感が立ち上がったのだ。そして、自分のアイデアで人を喜ばせることができたらという達成感もまだまだ味わいたいとチャレンジャー精神の旗を降ろしてはいない。

案外と彼女に顕著に表れてくるおせっかい欲は、ボランティアシーンで培われてきたもののようだ。自分がされてばかりの立場ではいたたまれず、持ち前のムラムラ負けん気が功を奏し、それが活動となった時点では様々な係わりが栄養となり花一輪のすがすがしさを見せてくれる。もう何輪もボランティアの現場で咲かせてきた。花も言葉さえも消えるのは必定。
しかし、また種から芽が、地下茎は伸び続け、時期をうかがっていることもまた、確かである。

そして、成功までの失敗の経験を智に変えるステップを踏むことで消えて無くならない活動に鍛え上げる可能性は残されている。あきらめとの闘い、平和とQOLへのあくなき追求はボランティア活動の命題でもある。

納宏子さん

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