宮崎の心を伝える 川原一之
東芝アジア・パシフィック バングラデシュ事務所が事業を始めるというビジネスニュースの一方で、アジア砒素ネットワーク(ANN)の川原一之さんは「バングラに宮崎の技術と心を伝える」ーおいしくて安全な水をいつまでもーJICA草の根技術協力・「地方行政(ユニオン)による飲料水サービス事業」のレポートの真ん中に「宮崎の心を伝える」をすえている。
知事は、グルメやスポットで観光戦略を広げつつ、草莽の志士たちも愛する郷土とアジアを行き来し活動を続けている。
宮崎の心を伝えるとは多くの水源が破棄される原因として、①必要でない土地に作られた、②工事がずさんですぐに故障する、③利用者が水源の管理に熱心でないことがあげられる。これを克服するためにアジア砒素ネットワークは①計画にもとずく安全な水供給、②住民に喜ばれる水源建設、③維持管理システムづくり、を主な目的とするJICA草の根技術協力「地方行政(ユニオン)による飲料水サービス支援事業」(2011年12月〜2015年5月)をおこなった。目ざしたのは、行政が安全な水供給の計画をつくり、業者は誠意を持って水源を建設し、おいしいと喜んで飲める水を提供された住民が、水源に愛着をもって維持管理をするという「飲料水サービス」の仕組みをつくることだった。この仕組みの中に宮崎の「心」を盛り込みたかったのだ。(2015年5月31日のレポートからⅢを転載)
そして、レポートⅴ番目には宮崎の心(神楽宿のもてなし、土呂久の助け合い)も伝え現地の砒素対策に協力する一方、そこで発展している生物浄化法によるおいしい水づくりを日本で活かす研究(宮崎大学)も進んでいると双方向の国際協力を強調している。
最初にお目にかかったのは、モンクレールテニスコート側のご自宅にボランティア研究集会の柱に立てようとお頼みに伺った時。当時のボランティア協会中心の運営委員会からこの人をの声が上がり、また様々な豊かなコネクションを生かしそれぞれが活動現場から人を集め、それが成功の要因となった。四半世紀も過ぎ、その旗頭はアジアに活動の域を広げ基本には「宮崎の心」を強調している。10年前には我々もバングラに呼んで下さり、福祉系の宮崎の心を伝えることができた。ヤッド&どんこやもまた自立とはと格闘する途上に国際交流の視点で学ぶことを続けている。
さて、レポートにある宮崎の心とは、抜き出せば「もてなしと助け合い」となりけっしててげてげではないようだ。そしてその心と連動するかのような技術、ここでは具体的に宮崎大:水供給技術の開発、砒素中毒の診断、宮崎水道局:水道技術、宮崎公立大:IT技術)とある、を結集した総合的な宮崎の技術と心の伝道師となられておられる。
記録作家というテーマは、わかりやくす道を説くことで成就されている。健康に留意され、我々にもっと宮崎の心についての実践と情報をもたらしていただきたい。