合理的(ごうりてき)配慮(はいりょ)って?
急な召集にも係わらず、8月最後の日の今日「障害者差別禁止条例学習会」が宮崎県福祉総合センター2階セミナールーム全室を会場に開催され、多数が詰めかけた。合理的(ごうりてき)配慮(はいりょ)とルビをふらないと読めない障がいのあることを想定していないと潤滑な社会は運営して行けない。まして、旅行業者などにおいては4000万の消費者をみすみす逃している事になりはしないか?この条例にも関する内閣府障害者制度改革推進会議も切り盛りした隣県熊本の車椅子の弁護士、東俊裕さんは直近で進む宮崎県の条例制定ロードマップに異議申し立てというか、当事者も共につくりたいという決起的勉強会に賛同しもう一つの隣県鹿児島からの岩崎義治さんとともに制定途上の宮崎県に来て下さった。
三人の手話通訳者付きで、東さんに言わせると要約筆記まであれば、一般の人にもより理解が深まるのが、差別禁止をうたう条例の真の意味であるといわれた。繰り返すが合理的配慮がなければ、人生における分岐点である就職試験などで不利益を、そもそも受験拒否などという不快な事が罷り通るのだと、自県ながら、熊本の全盲受験者への不利益な事例も率直に話され、この条例が目指す人権への取り組みはまだまだ進撃中であることを訴えられた。だが、声をあげた人には相談制度が対応するという正式な条例が、しかも当事者を交えた研究の上で、宮崎らしさを反映しつつ制定の日を迎えれば、これまでの数々の運動やボランティアも含まれる社会づくりの到達点となり、新たなスタートとなるのである。
会場を見廻し、階段と言うシステムはあるもののスロープが見えないことを例えに、障害者が壇上から話しかける事を想定していないのが普通、いや?ここは福祉センターのはずという、人権を真剣に考察しないで済む社会だと厳しい見方をされ、医学モデルにより個人の問題であって社会のせいではないという居直り社会のままでは発展はないと強くパラダイムシフト、一度障害者感を根底からひっくり返し、どうゆう手立てをするべきかが条例の意義であると力を込められた。バリアフリー法がやさしいまちづくり条例と相互作用で価値を堅持しているように、ここ一番は、差別なんかしてはいけないのだよという世界レベルでの障害者権利条約への布石となる法と条例制定への良い学習の機会となった。
全くの自発的イベントのため、呼びかけの障害者の差別をなくす条例をつくる会・宮崎はカンパ箱を設置して寄付を呼び掛けていたが、紙幣は志を共にする幅広い仲間の気持ちがこもっていた。