湯布院七色の風に吹いた旋風
2013年11月20日 at 6:05 AMCategory:「ふれあいの旅」エッセイ | お知らせ
29回目ということもあり、ふれあいの旅は30回への助走を湯布院で切った。一夜の宿、風変りな名のホテル。ずいぶんと酔いの回りが早まった若松健一さんは行橋の育ちの息子ほどの学生さんに着替えの上床入れまで手を借りて鉾は収まる。
今夜も夜回りと称して廊下の探険に出た私である。写真は再び明け方に外回りした時に撮ったものだが、合掌造りの再現という大変な凝り様。旧名は湯布院ハイツと名乗り眼下湯の町俯瞰と民藝の蒐集で一世を風靡する館であったことは明白である。湯質は言わずもがな、メインテラスへの長い廊下にガラス壁越し人形展示がほぼ完璧に日本文化列島の技を教授している。凋落の色に褪せてはいるが酔漢の肝に民藝のバワーを注入してやまないコリドールを成す。我が郷土からは稗搗き人形等今なおフィギュアに受け継がれる手先への入魂力クールジャパン。
指宿の大御殿でのふれあいの旅以来のヒットである。団体パック旅行のリーズナブルを障がいがあってもゴリ押しした感は残したが、いのちに時間がある限りは生きてる実感のクオリティーを旅することで得ようともがいた末のご褒美。
古い館に棲息する人形の精たちは癒やす相手を選ばない。寝ずに参加者一人一人との魂の交歓をしてくれたのだった。
もう三時なので大部屋に入ると、十人十色のパンツ姿で介護し合い疲れで爆睡真っ只中。座敷わらしとをどるのか見事な寝入り姿。案外人形の精たちからの招待だったのかも知れない。民藝と現代雑貨の織り成す街のランドマークがふたたび隆盛されんことを祈念しボランティアホテルNo.27*の称を捧げたい。ホテルは福祉を示し施設はホテルに学び、共に手を取れる、そここそが憧れのボランティアホテル航路。 *===第1、2回の飫肥と西都原への旅は日帰りで趣向を凝らした始まりでした。