ふれあいの旅の打ち上げホテルマリックスを出ると、信号が変わり進みだした車から声が掛かった。呼ばれた私は反射的に危うく駆け寄ろうとしたが侵入車はなくはねられる事なきを得てすれ違った。だけであった。窓を開け呼んだのは生駒新一郎。昨日、協会・どんこや・辻ゼミの三本の矢で実施された保育園アートMIXの担当者。今夜の打ち上げには実行委員ではないので不参加だった。昨日の事業で手応えを得て興奮を維持しているかのようにしっかりした声が伝わり心の通う7秒だった。
私はというと、今夜の幹事光代が酔い過ぎていたらしく3811円の不明朗会計分を教授に戻せないままだったこと、このブログを旅行社のエージェントオブザイヤーの5人に選出された報告をなさった南さんが愛読している褒め言葉などを頭の中で整理しながら駐車場に向かうのであった。
そして、振り返りへと辻利則会長がいざなって14人のコメントが並んだことを検証することも14分の1としてしてここにお知らせすべきだと起き出した頭からそれを引き出しいる。ダーウィンの進化論が普通になるまでは神のみぞ識るだったのが、進化はなぜするのかということを言いたい。
そう、30回目の事業ということが大きな意味を柱として持って始まった。打ち上げに呼ばれたのは初めてだったはずなので、昨年の様子は知る由もないが、実質29回の打ち上げから始まっていた進化だろう。「ふれ旅は進化した」もやもやしたボランティアの活動意義は進化と言える。我々は進化した。以下私が得た進化の中身。なお、釘を刺されていた私は飲酒していないので、幹事光代のような不手際はしでかさず、トイレにも立たなかったので2時間余の映画をロードショウで見終えた感慨を持ちここに記す。
昨年来の野海靖治実行委員長のテーマはボランティアのための旅であった。ヘルパー、障がい者福祉総合法の制定で手薄になったボランティアの手、関心を呼びおこす術に長けていない無償の世界で、でも続いた「ふれあいの旅」はどう進化したのか?どうやらその核は、実行委員会制度にある。野海さんのおかわりは角ハイボールである。
振り返りタイムも三分割であったがそれら振り返りの言葉に通底する言葉が進化「自分らしさのフルスロットルの場体験」と取り纏めることになる。自分の解放は自分に課せられたいのちの使命である。しかし、並大抵のことでは自分は解放することは叶わない。三度目になって気を悪くして口をきいてくれないかもしれないが酔った頭では解放はなされない。
程よい覚醒の中にこそ「解放」はある。身体がもう限界が口癖な幹事があと報告書を成すまでは終われないが、委員たちはもう一足先に進化を得た。それが「自分らしさ」を体験したことである。よほど覚醒がなければ進化しえない「自分らしさ」体験の場である。正確に言うと実行委員体験に燃えたらば出来上がる気体のようなものを発する器官が体内のどこかに形成されたとしか言いようのない。進化である。
酒が、焼酎が五臓六腑にしみわたるように、脳内器官にある自分らしさ体験部位が肥大して効果をもたらす進化である。
さあ、31回目の行き先も言うようにという教授の御宣託もあり、ワイハーやら沖縄、脱九州、タカラズカなど好き勝手に並んだが、そんな自分らしさを出せる場、それに続くみちのりを経たという進化。あー嘆かわしくも「自分らしさ」制限に満ち満ちたこのニッポンであるらしい。同額を払った上で、数倍の汗を出さされ、悔し涙や歓喜の涙さえ出させる実行委員にとっての「ふれあいの旅」をとおして見えたボランティア進化。
今宵は、ワイハー、タカラヅカと騒いでいるが、旅、旅の準備にも同様な全開を体験する自分らしさ、酒、ドラッグ、ギャンブル、セックスなど出回っている破滅の素に逃げ込もうとする人数よりまだ少数派なボランティア体験派。どこかで掴んだ冴えないフライヤー、糞まじめなポスター、妙に気にかかる口コミ、熱のこもった誘い、そんな類のきっかけで
既に「自分らしさ」への進化が始まっているというドラマ。今夜の会費3500円、旅費23000円で自分らしさ体験にまで行き着いた実行委員。市場でも各種ワークショップがあり、数万円という相場は妥当なところ。ただし、共同募金助成や長年培ってきた協会の歴史、行き先での社協ボランティアの協力などなどがあってこそという、社会性が加味された「自分らしさ」体験。
最後に、「自分らしさ」において正義と優しさがモノを言うという人間的規範の前にどう進化するかを体験する次世代にどうこの場を伝えるか。和田実行委員長からバトンされた野海実行委員長が立てたボランティアのための旅というスローガンは「ボランティアが自分らしさを発揮できる旅」ということになったわけである。
そして基本の基は、目前でパチパチ電卓を叩いて不明瞭会計をいぶかしがっていた渡辺千夏の会計本能。教授を掴まえ相談していた坂本夏美の瞳、欠席だった吉野由夏の夏の意味。欠席の菊永恵子、長廣ら3年生の学生たち31回目の動きが進化を続けるかピークから下るのか、はてない山の何合目なのか我々は登り続ける。人間本能と進化したボランティア体験学習能力を発揮して。
写真は、進化が始まった昭和55年のボランティアリーダー研修の模様。
昭和55年11月29日第3回ボランティアリーダー研修会
フィールドワーク。車椅子介助、手引。